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熱海の企業研修体験記

熱海の企業研修体験記

満足度平均8.7点(10点満点中) 経験者が語る 
熱海で企業研修を行うメリット2024.1015

「熱海は観光のまち」。この言葉は間違っていない。だが、正解とするには不足がある。東京駅から約40分、首都圏からも近い静岡県熱海市は近年、ビジネス利用での注目が高まっている。経験者の声からは、熱海で研修やグループワークをする意義が見えてくる。

熱海の研修経験者 約9割が「仕事に好影響」

数字が物語っている。熱海市が昨年実施した「熱海市企業研修効果調査」によると、研修参加者の満足度は際立っている。「全く満足していない」の0点から「非常に満足」の10点まで11段階の評価で、平均点は8.7点。8点以上が全体の8割近くを占め、10点満点も37.1%に上った。Net Promoter Score(NPS)を援用 して値を算出したところ、結果は 48.57 ポイントという結果となった※。

※(推奨者数-批判者数)/(回答者総数) ×100

 

さらに、研修が仕事に好影響を与えているかを問う内容には、「非常に感じている」と「感じている」を合わせた数字が88.1%と9割近い。熱海は観光だけではなく、ビジネスとも相性の良い場所と言えるのだ。実際に熱海で企業研修を経験した人からは次のような声が出ている。

 

「学びに関して『場の質』や『関係の質』が大きな影響を及ぼすと体感できたことが最も大きかったです。オンラインよりも、熱海で受けた講座の方がより多くの学びを得られたと感じています」

 

「熱海の街を歩きながら五感を使って考える、ワークするのが新鮮で、良い気付きを得ました。自分を振り返る、新しいことを考えるときには様々な刺激や場所が大事だと分かりました」

 

 

東京から新幹線で40分 非日常から生まれる発想や思考

熱海の良さについて、参加者が口にする共通点は「場所」。普段の職場から離れ、非日常を感じながら思考を巡らせたり、話し合ったりすることで課題解決のヒントやアイデアが浮かんでくる。ただ、非日常を求めて片道3時間も5時間も移動するとなれば、腰が重くなる。

 

その点、熱海には地の利がある。東京駅から新幹線の乗り継ぎなく約40分。首都圏から近い交通の利便性と都会では味わえない豊かな自然を併せ持つアドバンテージがある。そして、ビジネスの面でも熱海のポテンシャルに気付いた企業がワーケーション施設や企業向けの研修プログラムを充実させている。

 

熱海の研修プログラムは、「アクティビティとの組み合わせ」や「地元住民との交流」が特徴となっている。例えば、日の出に合わせてビーチでヨガをしたり、チームでビーチアートを描いたりするメニューを組み込む研修がある。別の企業は熱海の商店街を訪れて、住民や店員らにインタビューする時間を研修に設けている。

 

 

研修場所に熱海を選ぶ企業や組織は多岐にわたる。規模はベンチャー企業から誰もが社名を知る大企業まで様々。業種も偏りはなく、NPO法人や労働組合も訪れている。大手企業に勤務する管理職の1人が熱海で研修するメリットを語る。

 

「海、山、温泉など様々な環境があるので事業プランが考えやすかったことがあります。また、研修を実施していることを熱海の街の方々がよく認知されていたおかげで、インタビューに皆さん協力的でやりやすかったです。オフィスから離れた場所で研修することで、業務のチャットやメールを気にせず集中できる良さもありました」

 

 

特に参加を薦めたい 30~40代のリーダー・マネージャー層

別の組織の管理職はマネージメントに悩み、「自走する組織」をテーマにした研修に参加した。リモートワークの浸透によって、今までのやり方では組織が上手く機能しない課題があったという。エクササイズやアクティビティが組み込まれたプログラムに最初は半信半疑だったが、1泊2日の研修を終えると充実感に満ちていた。研修後は自身にも組織にも変化が生まれた。

 

「体を動かすことによる疲れが良いリフレッシュとなり、リラックスしていたのか座学だけの研修と比べて頭の疲れ方が違いました。研修ではトップダウンでなく支援型のリーダーとしてまとめていくことが重要と学びました。指示するのではなく自主性を促す、発言を促す。内発的な動機形成を意識するように、些細なことでもスタッフの意見に耳を傾けるようになりました」

 

 

 熱海で研修を一度経験すると、定期的にリピートする企業も多い。部署単位で参加して満足感が大きかったことから、社内の他の部署に広がるケースもみられる。研修の効果を強調する人が多い中、経験者が特に薦めるのが部下や後輩が増えてくる30代から40代のリーダー層やマネージャー層。上司と部下の板挟みで思い通りにいかない難しさに直面し、日々の仕事に追われる立場の人にこそ、日常を離れた越境環境での学びの時間が必要だという。大手企業の管理職の1人は、こう話す。

 

「役職が上がっても自分にできることへの限界を痛感したり、責任の重さに疲弊したりして離職を考えるタイミングでもあります。そういう時期に地域や他組織への越境環境で学ぶことによって視点や視座が変わり、同じものに対しても見方が変わってくると思います。会社のリソースに改めて気付く前向きな変化もあります。研修でリフレッシュして頭を切り替えてほしいです」

 

ビジネス利用の実績を重ねている熱海。研修経験者たちは、新しい発想や前向きな思考を生み出す地としてポテンシャルの高さを実感している。